2012年10月22日月曜日

新聞から 震災犠牲者のDNA検体返還へ

『震災犠牲者のDNA検体返還へ 県警が遺族の意向確認着手』
10/4の河北新報から
  
    引用・・・・・
宮城県警は、東日本大震災で亡くなり身元が確認された犠牲者について、DNA鑑定に 使った骨片や爪などの検体を希望する遺族に返還する手続きを始めた。「遺族の思いを踏まえ、検体も形見と考えた」と県警は説明する。受け取るかどうか意向 を確認するため、既に約3000人の遺族に返信用はがきを送った。
 県警によると、県内で見つかった全ての遺体から、爪や骨片、歯、筋肉、血液のうち一つを検体として採り、血液以外の約3000人分を保管している。各検体は1立方センチ程度の大きさで、県警に依頼された医師が採取した。
 DNA鑑定の実施数は膨大で、宮城県警だけでは作業が追い付かなかったため、検体の多くを宮城以外の全国の警察本部などに送った。鑑定が終わった後は、県警が再び回収して管理している。
 対象となる遺族には、検体を受け取るか、処分を県警に一任するかのどちらかをはがきに書いてもらう。受け取る場合は警察署から連絡があり、引き渡しの日時などを調整する。処分を一任した場合は市町村などで合同埋葬する予定だ。
 県警は10日までの返信を呼び掛けており「検体は犠牲者の身体の一部で大切なもの。取り扱いでは遺族の意思を尊重したい」(身元不明・行方不明者捜査班)と話す。

鑑定資料も「大事な形見」 宮城県警、震災遺族に返却  
10/10 朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/national/update/1006/TKY201210060136.html

    引用・・・・
宮城県警は、DNA鑑定によって身元が特定できた東日本大震災の犠牲者について、家族らに対し、遺体から採取した歯や爪など約3千点の返還を今月から始めた。
 「次男の結婚式に、せめて母と三男の爪だけでも参加させたい」。同県警の身元不明・行方不明者捜査班に4日、震災の津波で母と弟を亡くした宮城県沿岸部に住む長男から電話が入った。
 母と弟の遺体はすでに引き渡されているが、近く次男が結婚式を挙げるという。長男は「どうしても母と弟を結婚式につれていきたい。2人の爪を引き取りたい」と伝えてきた。県警は希望通り引き渡した。
 県警によると、通常の不明遺体の場合、身元が特定されても家族らは返還を望まないことが多いという。だが、震災関連の遺体については、約半数が返還を希 望しており、5日までに約100件の問い合わせがあったという。捜査班の金野芳弘検視官は「遺骨は埋葬してしまうので、爪や歯は鑑定資料というだけでなく 家族にとっては大事な形見。必要とする人には返していきたい」と話している。(高津祐典)
 

10月になって宮城県警ではDNA検体の返却に着手しました。
はがきはご遺族の手元に届いており、皆さんそれぞれの思いを送られたと思います。

私も「遺体」という本を読む前までは、全てのご遺体からDNA鑑定のため検体を取られていた事実は知りませんでした。

発見と同時に身元確認を済ませていたご遺体もあったでしょう。
このハガキで初めて歯や爪を取られていた事、ご遺体に手を掛けられていた事を知った遺族の方もいらっしゃったようです。

DNAの為の歯や爪の採取は震災において仕方ない事だと分かりつつも、これ以上体を傷つけられるののかと、遺族の中には簡単に割り切れるものでもないようです。(検体への批判ではないです)

そして、今回の連絡で、一気に当時を思い出してしまったと・・。
ご遺族の方の心情を考えると、今回の事も含め、これからも先色々な場面で当時を思い出すような事があるのだろうなと思いました。


勿論、新聞にも取り上げられているように、お骨は納骨されるので手元には残らない。
歯や爪を形見として引き取りたい声があるようで遺族の方の大切な形見になっていくのでしょう。

一方、納骨が済んでいるので今さら受けとりと言っても・・・・でも、合同埋葬されるよりは引き取りたい・・・皆さん受け取った後、どのように保管するのかという声も聞きました。

県警の方、検体採取に携わってきている方々の苦労や思いに敬意をはらいながらも、「形見の返却よかったね」で新聞を読むだけではなく、多くの思いで苦しんでいる遺族の方がいると言う現実を知った今回の出来事。

沢山の遺族の方の思いを色々と察しながら、新聞のご紹介しか出来ませんが、遺族の方々の心境を・・・現実を・・・周りにいる私達も少しは知ることによって、何かしらの想いにつながればと思います。



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